大阪支部  弁護士  浅田 有貴

【アトピー性皮膚炎】

 ①瘙痒,②特徴的皮疹と分布,③慢性・反復性経過という3項目を満たしたものを,症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と定義する。

表皮のバリア機能低下による皮膚の乾燥や易刺激性,アレルギー炎症を起こしやすいアトピー素因という遺伝的素因に,様々な悪化因子が加わって,慢性的に湿疹を繰り返す疾患である。

 

【治療】

 治療の目標は患者を次のいずれかの状態に到達させることにあるとされる。

1)症状はない,あるいはあっても軽微であり,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない。(2)軽微ないし軽度の症状は持続するも,急性に悪化することはまれであり,悪化しても遷延することはない。

治療の基本方針は,国内の診療ガイドラインによれば,①炎症に対しては,ステロイド外用薬等による外用療法,②皮膚の生理学的異常に対しては,保湿外用薬使用などのスキンケア,③個々の症例ごとに悪化因子を検索し可能な限り除去する,の3点が柱とされている。

 

【ケナコルト-A

 合成副腎皮質ホルモン剤,ステロイド外用薬の一種。「効能又は効果」としてアトピー皮膚炎も挙げられている。

 一般名はトリアムシノロンアセトニドであい,糖質代謝作用,抗炎症,抗アレルギー性の作用が強く,しかも鉱質代謝作用が弱いためナトリウム,水分の体内貯留に基づく浮腫などが少ないという特長を有する。

 一方,製品の投与により誘発感染症,感染症の増悪,続発性副腎機能不全,糖尿病等の重大な副作用が現れることがある。

 さらに,適用上の注意として,特に筋肉内注射にあたっては,組織神経などへの影響を避けるため,数点の注意事項が添付文書に記載されている。添付文書に太字で記載されている事項としては,「注射後,注射部位をもまないこと。注射液が脂肪層に逆流し陥没を起こすおそれがある。」ということが挙げられる。

 

【参照文献】

・アトピー性皮膚炎診療ガイドライン/日本皮膚科学会ガイドライン

・今日の治療指針 私はこう治療している 2011/医学書院

・ケナコルト-A 水懸注40mg1mL 添付文書