医原性気胸

 胸壁外との空気の交通性がないものは閉鎖性気胸と呼ばれる。
 一方、胸壁の開放創を通じて呼吸性に空気が出入りするものは開放性気胸と呼ばれ、呼気のたびに空気が胸腔内に流入して胸腔内圧と大気圧が同じレベルとなり、肺は虚脱する。
 気胸の中でも、特に医療行為に伴って生じるものを医原性気胸という。

治療

① 軽症の場合、数週間の安静で改善することもある。

② 穿刺脱気療法として、針を穿刺して胸腔内に貯留した空気を排出し、虚脱した肺を拡張させる方法がある。これはすぐにドレナージが行えない場合の緊急処置として行われる。

③ 胸腔ドレナージとして、胸腔内にドレーンチューブを留置する方法がある。ドレーンチューブによって貯留した空気を体外に誘導し、肺の虚脱を改善する。肺の再膨張が十分でなければ陰圧をかけることも併せて行われる。チューブの太さが十分であるかどうかも考慮される必要がある。

④ 胸腔鏡下手術は、胸腔内の手術操作を胸腔鏡の視野下に体内で行う手術である(開胸しない)。侵襲性が低く術後の早期回復が期待できる一方、操作の方向、適応疾患や病変の部位が限られるという短所もある。

⑤ 胸膜癒着療法は、癒着剤を胸腔内に注入して胸膜に炎症を起こさせ、胸膜を癒着させて気胸の再発を防ぐ方法。癒着後の肺機能低下が生じる。

胸腔ドレナージ

 胸部単純X線写真等で事前に術者自身で部位を確認し、各臓器を損傷しないよう穿刺部位及び穿刺方向を決定すべきである。外傷性血胸または血気胸であれば28~32Fr(フレンチ;30Fr=10mm)程度の太さのカテーテルが選択されるが、脱気のみを目的とした場合カテーテルの太さはより細いものが選択されることがある。脱気の場合の穿刺位置・方向は、前胸部鎖骨中線の第2又は第3肋間から肺尖に向けて実施される。

 カテーテルはより細いほうが患者の身体的負担が少なくなるが、気胸に対する処置として行う以上、排気が十分にできる太さのものが選択されなければならないと考える。

参考文献

・病気がみえる vol.4(第一版)/Medic Media
・からだの科学 268/日本評論社
・エキスパートの呼吸管理/中外医学社

以上
大阪支部  弁護士  浅田 有貴