片側顔面けいれん

 神経血管圧迫症候群(血管が脳神経を圧迫することにより脳神経の過剰症状が出る場合)の一つ。血管により顔面神経が圧迫されることで、自分の意図とは関係なく顔面の片側の筋肉がけいれんしてしまう。ただし、まれに、神経を圧迫する原因が動脈瘤や脳腫瘍であることがあるため、原因検索はMRIやMRAなどの画像検査を実施して行う。

 生命予後は良好だが、日常生活に支障をきたす場合、微小血管減圧術やボツリヌス毒素治療法による治療を行うことがある。2008年5月時点では内服薬による薬物療法は確立された治療薬剤がないとされ、他の療法が施行できない場合に検討される。

 診療科は脳神経外科等。

片側顔面けいれん好発年齢

 40歳~60歳代

微小血管減圧術】

 対応する神経を圧迫している血管を移動し、圧迫を解除する。

微小血管減圧術の手技と関連ある合併症】

 手術側の聴力障害、小脳出血、顔面神経麻痺、脳幹梗塞による手術側と反対側の半身知覚障害、運動麻痺、水頭症、硬膜外血腫、髄液漏、感染などが報告されている。

適応

 微小血管減圧術は顔面けいれんの根治的治療法として確立していたが、2000年にA型ボツリヌス毒素製剤の顔面けいれんへの適用が認可されて以降は、ボツリヌス毒素法が優先的に検討される。微小血管減圧術が積極的に検討されるのは、発症から数年の歳月を経て症状が頻繁に出現し目立つようになった、あまり高齢ではないなど、複数の条件をみたす場合であるが、それでも絶対的に微小血管減圧術によらなければならないというものではない。最終的には、インフォームドコンセントを十分に受けた患者の自己決定に委ねられる。

裁判例

 東京地方裁判所 平成15年12月19日判決/平12(ワ)13076号
/注意義務違反・否定

参考文献

・病気がみえる vol.7(第一版)/Medic Media
・神経治療学 25巻4号/日本神経治療学会・日本神経治療学会治療指針作成委員会

以上
大阪支部  弁護士  浅田 有貴