1 気体注入術とは

-気体(膨張性ガス)を眼内に注入することによって、膨張したガスの浮力で剥離している網膜を押し上げ網膜を復位させる術式。

2 合併症

-最大の問題点は、眼圧の上昇

① 機序

網膜中心動脈の動脈圧は、約60~70mmHg
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眼圧がこの動脈圧に接近又は越えると、網膜中心動脈は閉塞(血流が止まる)
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閉塞(網膜虚血時間)が100分以上継続すると失明に至る。

② 網膜中心動脈の動脈圧が何らかの理由で低下していた場合は?

・通常の動脈圧は、約60~70mmHgだが、この動脈圧が低下している場合がある。

cf. 低血圧、糖尿病、高齢、動脈硬化など

・例えば、動脈圧が約50mmHgに低下していたとすると、
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眼圧が50mmHgに近づくか越えるかすれば、網膜中心動脈の閉塞が起こることになる!

3 合併症に対する対策

①眼内に注入した膨張性ガスは、約10週間眼内にとどまっている場合がある。
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したがって、その間の全身麻酔を用いた外科手術は禁忌!

② 飛行機のフライトも眼圧を上昇させる。
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したがって、膨張性ガスが眼内にとどまっている間のフライトも禁忌!

③ 術後管理: 術後から患者の眼圧の状態、眼痛、頭痛、嘔気などに注意。  
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眼圧の高い状態が30分以上継続するようであれば、ガスを抜く!