1 総論

・確定診断に腫瘍マーカーを使用することはできない。
・治療の判定効果、再発予防、予後推定には有用。
・第一選択: CEA、CYFRA21-1、ProGRP
・第二選択: SCC、NSE、SLX

2 用語解説

・感度: 癌でマーカーが陽性になる確率
・特異度: 非癌でマーカーが陰性になる確率
・偽陽性率: 癌でないのにマーカーが陽性になる確率
・偽陰性率: 癌なのにマーカーが陰性になる確率
・陽性予測値: マーカーが陽性のとき癌である確率
・陰性予測値: マーカーが陰性のとき癌でない確率

3 各論

①CEA(癌胎児性抗原)

・成分: 糖タンパク
・肺癌全体の陽性率: 約50%
・肺腺癌の陽性率: 約60%(腺癌で有用)
・臨床病気の進行↑ → マーカー値↑
・手術で完全切除 → 約2週間で正常化

※正常化しない場合は術後再発が多い。

※再発すると、画像で確認できる4週間以上前から上昇する。→ 再発の予測に使える!

・偽陽性に注意!

※糖尿病、肝炎・肝硬変、慢性気管支炎、加齢、喫煙歴でも陽性と出る場合がある。

②CYFRA21-1(シフラ)

・成分: サイトケラチン(上皮細胞の細胞骨格を作るタンパク質)
・肺癌全体の陽性率: 約50%~約60%
・扁平上皮癌の陽性率: 約60%~約80%(高値!)
・臨床病気の進行↑ → 陽性値↑

※病気Ⅰ期でも陽性と出うる。

・手術で完全切除 → 約48時間以内に正常化!
・膀胱癌・消化器癌でも陽性と出うる。
・偽陰性に注意!

※間質性肺炎、放射性肺炎でも陽性と出うる。

③ProGRP

・成分: ガストリン放出ペプチドの前駆体(小細胞癌の増殖因子)
・小細胞癌で極めて高い感度・特異度。
・再発すると、画像で確認できる約35日前に値が上昇 → 再発を予測に有用!

④SCC

・成分: 子宮頸癌関連抗体TA-4
・肺癌全体での陽性率: 低い
・扁平上皮癌の陽性率: 高い
・手術で完全切除 → 約25時間後に正常化
・偽陽性に注意!

※子宮頸癌、食道癌などの他の扁平上皮癌でも陽性が出うる。

⑤NSE

・成分: 腫瘍細胞の崩壊による逸脱酵素
・小細胞癌で特異度が高い

⑥SLX

・肺癌全体での陽性率: 低い
・腺癌の陽性率: 高い