OTC欠損症
                                   福田 俊介

1 定義
  たんぱく質を摂取すると体内ではアミノ酸へと分解し、代謝する。そのアミノ酸代謝により生じたアンモニアは有害であるため、肝臓で尿素合成反応サイクルにより解毒される。
  OTCはこの尿素合成反応サイクルの反応系を触媒する酵素の一種である為、OTC欠損症では、尿素合成が阻害され、高アンモニア血症となる。
  また、X連鎖性準優性遺伝型の為、男児に重症例が多く、女児では無症状のキャリアも多い。


2 症状
  血中のアンモニア濃度が高くなると、体内ではグルコースからのエネルギー変換経路(クエン酸回路)での中間物質合成を阻害する為、グルコースを唯一の栄養源とする脳に多大なダメージを与える可能性がある。
  また、神経伝達物質の前駆体物質を他物質へ合成する反応が促進される可能性もある。
  新生児では急変し死亡例もある。生後早期に哺乳不良、過呼吸、代謝性アシドーシス、傾眠、昏睡を伴う脳症がみられる。
  慢性的には精神発達遅滞、慢性神経学的症状、嘔吐、摂食障害がある。


3 診断
  生化学的所見 とX染色体上に局在するOTC遺伝子の解析により確定診断される。


4 治療方針
  急性期ではグルコースの大量静注による異化亢進状態の阻止、アシドーシスの補正としてアルギニン、シトルリン、安息香酸ナトリウムの投与、タンパク接種の中止、高アンモニア血症の改善を目的とした持続的血液濾過透析等。一部の症例では肝移植もあり。
  慢性的疾患では、たんぱく質を制限した食事療法、アルギニン、安息香酸ナトリウム・フェニル酪酸、L-カルニチン、ラクチュロースの内服等がある。

                                      以 上