1 疫学

・癌全体で、肺癌の脳転移が最も頻度が高い。
  非小細胞癌: 約3分の1
  小細胞癌: 約40%

※抗癌剤は血液脳関門を通過しにくい。

2 症状

・軽度: 味覚障害、視野異常

・重度: 痙攣発作、意識障害

※頭蓋内圧亢進↑ → 頭痛、吐き気、嘔吐、外転神経麻痺、意識障害

・対症療法(薬物)
  -濃グリセリン(グリセオール)、デキサメタゾン(デカドロン) → 頭蓋内圧亢進↓

3 治療方針(放射線治療)

①基本: 全脳照射
理由: 画像上単発性に見えても、多発性であることが多いから。
限界: 慢性障害を避けるため十分な線量を照射できない。

重要
・放置すると致死的
・放射線治療を施行すれば脳転移が肺癌の死因となる可能性少ない!

②効果: 症状緩解率 約70%~90%(高率)
※ 日常生活に戻れる。

③予後: 照射後の生存期間 平均約3ヶ月~6ヶ月(長くはない)

④予防的全脳照射: 小細胞癌

4 定位放射線照射(STI)

①目的: 単発性脳転移に対し局所的に十分な治療線量を照射する。

メリット: 障害を最低限に抑える。

②好適応: 非小細胞癌(特に、高分化型腺癌)

③種類

・定位手術的照射(SRS)
方法: 1回だけ照射。
メリット: 1回で照射終了、大線量照射が可(抗腫瘍効果大)
手段: ライナック治療装置、ガンマナイフ

・定位放射線治療(SRT)
方法: 分割照射
適応: 腫瘍が大きい、腫瘍が脳幹に近い

疑問

①予防的全脳照射

・なぜ適応は小細胞癌だけなのか?

②予後

・放射線治療を施行すれば、肺癌が死因になる可能性は少なくなるのに、どうして照射後の平均生存期間が短いのか?

③照射方法

・ガンマナイフが用いられたのはなぜか?選択の判断基準は?

④早期発見

・脳転移を早期に発見するためには一般的に何をするのか(頻度含む)?
・本件でそれを実施した場合、どの程度の延命(可能性)を見込めるか?