1 抗がん剤投与時の肝機能障害

・慢性B型肝炎
・C型肝炎
・薬剤性肝機能障害
・肝転移
・一般論: 添付文書では、肝機能障害時は慎重投与との記載が多い

2 主な化学療法と肝機能障害

①白金製剤

〔シスプラチン、カルボプラチン〕

・代謝: 主に腎排泄

・方針:
投与量が多いと肝機能障害を招くという報告はあり。
投与量について具体的に示唆する報告なし。

②代謝拮抗剤

〔ゲムシタビン〕

・方針: 総ビリルビン値 1.6mg/dl以上→ 投与量の調節推奨
 ※但し、明確な基準なし

〔ペメトレキセド〕

・代謝: 腎排泄
・方針: 肝転移(+)→ AST、ALTが施設正常値上限の5倍以下が投与の基準

③抗腫瘍性抗生物質(アントラサイクリン系)

〔アムルビシン〕

・代謝: 主に肝代謝
・方針: 肝転移(+)→ AST、ALTが100IU/ml以下の基準で投与

〔ドキソルビシン〕

・方針: 総ビリルビン値1.2~3.0mg/dl又はASTが施設正常値上限の2~4倍→ 投与量を50%減量

④微小管阻害薬

〔ビノレルビン〕

・特徴: 肝機能異常を招く頻度が多い!

・方針:
総ビリルビン値2.1~3.0mg/dl→ 投与量50%
総ビリルビン値3.0mg/dl超→ 投与量25%

⑤トポイソメラーぜ阻害薬

〔イリノテカン〕

・方針: 総ビリルビン値 正常値上限の1.5~3倍→ 投与量75%

〔エトポシド〕

・代謝: 主に肝代謝

・方針:
総ビリルビン値が1.5~3.0mg/dl又はAST60~180IU/l→ 投与量50%
3.0~5.0mg/dl又はAST180UL/l以上→ 投与量25%

⑥分子標的薬

〔ゲフィチニブ=イレッサ〕

※十分なデータなし

〔エルロチニブ=タルセバ〕

・方針:
肝機能障害(+)→ 慎重投与
総ビリルビン値が施設上限値の3倍以上又はASTが施設上限値の5倍以上→投与を中断

〔べバシズマブ〕

・代謝: 腎代謝
・方針: 報告なし

参考文献
・弦間昭彦編著「肺癌診療Q&A 一つ上を行く診療の実践」中外医学社(289頁以下)