1 病態

意義

・胎盤の一部又は大部分が子宮下部に付着し、内子宮口に及ぶもの
※胎盤が子宮下部に付着しても、内子宮口に及んでいない「低置胎盤」は前置胎盤に含めない。
→ 内子宮口に及んでいるかがポイント!

分類

内子宮口を覆っている程度により、

① 辺縁前置胎盤; 胎盤の下縁が内子宮口にかかっている
②① 部分前置胎盤; 胎盤が内子宮口の一部を覆っている
③① 全前置胎盤; 胎盤が内子宮口を完全に覆っている
※内子宮口を覆っている程度が大きいほど、リスクは高くなる!

リスク 全前置胎盤>部分前置胎盤>辺縁前置胎盤

2 症状

・妊娠の中期から無痛性の外出血を繰り返す(=警告出血)。
・出血は子宮収縮に伴って増加し、子宮口が開大するほど増加する。
・子宮頸管の断裂や子宮収縮不全により大出血を来すこともある。
・早産(切迫早産も含む)、胎位異常を招きやすい。

3 疫学

発症頻度は高齢出産ほど高くなる!

発症頻度;
20歳代 1/300
35歳以上 1/100
40歳以上 1/50

4 診断

・診断は妊娠22週以降に行う。
 ∵ 妊娠週数が進むにつれて、胎盤の位置が移動し前置胎盤でなくなる場合があるから。
・確定診断は「超音波検査(特に経膣走査法は精度高い)」

5 周産期管理と治療

・自己血輸血のため、自己血を準備 目安; 800~1200ミリリットル
・軽度でも子宮収縮→ 子宮収縮抑制薬を投与
 ∵ 子宮収縮は、出血を増加させるから
・全前置胎盤・部分前置胎盤; 選択的帝王切開(但し、妊娠37週前後)
 辺縁前置胎盤; 経膣分娩
 出血増量; 前置胎盤の種類を問わず、緊急に帝王切開
・術後管理; 弛緩出血に注意