骨折後の拘縮について

(1)拘縮とは何か?

 拘縮とは、各関節が他動的にも自動的にも可動域制限を起こす状態である。一般的に関節包と関節包外の関節構成体である軟部組織の変化によって起こる関節運動制限を拘縮と呼んでいる。病理的には、皮膚、皮下組織、筋膜、靭帯及び関節包等が瘢痕化又は癒着したものと理解されている

 他方、軟骨や骨など関節包内の構成体そのものに起因する関節運動の消失は、硬直と呼ばれている。

(2)拘縮の発生原因

 関節が固定された場合、まず、関節の不動により局所循環が障害され、軟部組織の細胞浸潤(白血球成分が血管外へ滲出すること)を招き、細胞性増殖を引き起こす。膨張による線維素の析出が発生し、修復過程において線維性増殖を生じた結果、関節包、靭帯、筋組織の柔軟性低下を招く。そして、徐々に関節腔内の線維性癒着を生じるとされる。そのため、正常な関節であっても、四週を超えた固定で不可逆的変化が存在するとされ、拘縮予防の観点からすれば、関節の固定は長くても四週間以内が理想とされる。

(3)拘縮の予防・治療方法

 関節拘縮の予防には、拘縮の促進因子をできるだけ少なくすることが重要である。

 まず、組織間液が増加、貯留した状態である腫脹が生じた場合、腫脹による浸出液は、線維素が多量に含まれることから周辺組織に線維化を促進し拘縮を発生させやすい。そこで、腫脹を抑制するために、患肢の挙上位保持、固定関節より遠位関節部での自動運動、固定関節周囲筋の等尺性収縮訓練、包帯やひもを使用した腫脹除去法、間欠的空気圧マッサージ器による治療等をなすべきである。

(4)裁判例

・大阪地判平成14年10月31日判例時報1819号74頁

以 上