第1 序論

 今回のブログのテーマは「大腸癌」です。私が大腸癌を検討して感じた第一印象は、大腸癌は遠隔移転をしていない限り、治療後の生存率が高いということです。したがって、大腸癌と診断されても、あまり不安になることはないという印象です。また、血便等比較的分かりやすい症状があることから、血便等があれば、すぐに病院に行けば、なんとかなるという印象です。

 そこで、大腸癌についての知識を第2で、大腸癌の見落としに関する裁判例について第3で書いていきます。

第2 大腸癌の知識

⑴ 大腸癌の症状等

 大腸癌は、その発生部位により、盲腸癌・結腸癌(上行結腸癌・横行結腸癌・下行結腸癌・S状結腸癌)・直腸癌に区分される。大腸癌の主な症状としては、腫瘍からの出血による下血・血便・貧血・便柱への血液の付着、腸の内径が狭くなることによって生じる便秘・下痢・便柱の狭小・痛などがある。

⑵ 大腸癌の発見方法

 大腸癌は、内視鏡検査や注腸造影検査など、大腸を直接調べる検査により発見することができる。間接的な方法としては、潜血検査や腫瘍マーカーの測定があり、これらの検査をきっかけとして上記の大腸内視鏡検査等が行われ、大腸癌が発見されることもある。さらに、大腸癌が進行している場合には、腹部超音波検査やCT 検査で肝転移が発見され、その原因を探索する過程で大腸癌が発見されることもある。

⑶ 大腸癌の治療方法及び予後

 大腸癌の治療は、癌の進展状況により、内視鏡治療・外科手術・抗癌剤療法(化学療法)などが選択される。癌の進展状況の判断には、Dukes 分類又はステージ分類が使用される。Dukes 分類は、DukesA からDukesD に分類されている。

 DukesA:癌が大腸壁内にとどまるもの
 DukesB:癌が大腸壁を貫くがリンパ節転移のないもの
 DukesC:リンパ節転移のあるもの
 DukesD:腹膜・肝・肺などへの遠隔転移のあるもの

 ステージ分類は、ステージ0からステージ4に分類されており、Dukes 分類とわずかに異なるが、ステージ0及びステージ1がDukesA に、ステージ2 がDukesB に、ステージ3がDukesC に、ステージ4 がDukesD に相当するものとされている。

ア DukesA ないしDukesC の場合の治療方法及び予後

 DukesA で、癌が粘膜にとどまる場合や粘膜下層への浸潤がわずかな場合には、内視鏡治療が選択されるが、それを除けば、外科手術が選択される。外科手術では、癌が存在する部位の大腸の切除及びリンパ節の郭清が行われ、術後には抗癌剤の投与が一定期間継続されることもある。

 国立がんセンターの発表によると、大腸癌は、早期癌であれば、ほとんど治癒し、進行癌であっても、各分類ごとの5年生存率は、DukesA が約95%、DukesB が80%、DukesC が70%とされている。

大腸癌 その2に続く