弁護士 池田実佐子

*参考文献
医療情報科学研究所『病気がみえるVol.10産科 第2版」メディックメディア、2009

1 原発性陣痛微弱

=分娩開始時から既に陣痛が弱く分娩が進行しない状態



●原因

・多胎妊娠、羊水過多

・子宮筋腫

・子宮創部の菲薄化(過去の帝王切開)

・頻回分娩

・子宮奇形



●診断

分娩開始時から、

胎児心拍数陣痛図で、

・子宮内圧低下

・陣痛周期の延長

・持続時間の短縮

のうち1つ以上認められるとき



●治療

基本

①待機(休養)、1時間毎のバイタルサインのチェック

②脱水の補正(経口水分摂取OR輸液)

③子宮収縮促進薬



その他

ⅰ)分娩第1期:CPD(児頭骨盤不均衡)の疑い→帝王切開

ⅱ)分娩第2期:胎児機能不全の疑いOR胎児の下降みられない→吸引、鉗子分娩

*CPD、全治胎盤、常位胎盤、常位胎盤早期剥離が明らかな場合子宮収縮促進剤禁忌



2 胎便吸引症候群(MAS)

●機序

胎児機能不全などの低酸素状態

 ↓

迷走神経反射により腸管蠕動(ぜんどう)運動の亢進と肛門括約筋の弛緩

 ↓

羊水に胎便排泄

 ↓

羊水混濁 

 ↓

羊水を気道内に吸引すると

 ↓

肺サーファクタントの不活化や気道の閉塞、炎症生じる

 ↓

無気肺と肺気腫混在した呼吸障害 = MAS

・呼吸窮迫症状

・無気肺、肺気腫、肺炎

・気道内の胎便の存在

・新生児仮死

・胎便による皮膚、臍帯、胎盤の黄染

*重症例→遷延性肺高血圧症(胎児循環遺残症)合併



●予防措置

羊水混濁、胎児機能不全認められたら出生時の第1呼吸開始前に胎便の気管内吸引

羊水混濁=胎児の10~20%→MAS発症は5%



●治療

サーファクタントによる気管内洗浄、人工換機、アシドーシスの補正、酸素投与



*低酸素状態に反応する能力が確立した正期産児、特に過期産児、IUGR(子宮内胎児発育遅延)児に起こりやすい



3 新生児の蘇生

アブガースコアは新生児蘇生の要否の判断基準にはならない。

分娩後30秒以内で

・羊水混濁

・早産児

・弱い呼吸、啼泣

・筋緊張低下 

チェック

 ↓

1つでもあったら必要な蘇生措置


以上