インプラント 下歯槽神経損傷・圧迫

1 インプラントによる神経損傷

①ドリル等により下歯槽神経が圧迫ないし損傷され、麻痺を生じた可能性
②インプラント治療によるオトガイ神経(下歯槽神経がオトガイ口から外に出たその外側部分の神経)の損傷の可能性 但し低い

通常オトガイ神経は下歯槽神経よりも深いところにあるから、可能性が高いのは下歯槽神経

2 治療前の準備について

・まずレントゲンにより、埋入を予定している部位にインプラントが入るか、埋入したインプラントを維持するに足りる骨の量があるか否かを確認
・埋入する部位から下歯槽神経までの距離を計測する。埋入したインプラントの先端を下歯槽神経から約2ミリメートル離れた位置で止めるように設計

長さの決定に当たって、レントゲンの拡大率の算定を誤ると、インプラントの長さ等も誤る事となり、ミスにつながり得るので注意

3 治療時の手技について

・ドリルで事前に決めた位置まで掘る
・一回り大きいドリルで穴を広げ、インプラントを埋入

どちらも神経損傷・圧迫の危険

4 治療後の対処

 インプラント埋入後痛みが生じた場合早期に対処
完全に損傷していなければ、抜去若しくはねじを少し逆転させる
時間が経過(約2、3カ月)すると、オッセオインテグレーションにより、逆転させることができなくなってしまう

5 損傷の態様と後遺症について 麻痺等

 下歯槽神経が圧迫された場合は→埋入したインプラントを抜去すると症状が回復
もっとも、圧迫による麻痺が、回復しない麻痺に変わるという可能性はあり
逆に回復しない場合→損傷と考えるのが一般的

以上

弁護士  池田 実佐子