全日本スキー連盟(SAJ)からスノーボード競技の強化指定を受けている未成年の男子選手が、昨年12月、米国コロラド州に遠征中に大麻を使用していたことがニュースになっています。

 ところで、2014年1月1日より、米国コロラド州では、特に免許等がなくても一般人が大麻を購入することができます。
 未成年である、連盟の予算で遠征をしている、といった”不謹慎”ネタはともかくとして、日本人が海外で大麻を所持することは違法、犯罪となるのでしょうか

法律が適用される範囲

 そもそも、「法律」、特に「刑罰」というものは、その「刑罰」を制定した国の中でしか通用しないのが大原則です。
 例えば、日本では「不倫」は犯罪ではないとされていますが、日本国内での不倫を、「不倫は犯罪」としているイスラム圏の国から、突然、「姦通罪で処罰する」とされたらたまったもんじゃありません。
 また、フランスで、アメリカ人が日本人から財布を盗んだ場合に、「日本人の財布を盗むとはけしからん」として、日本の刑法(窃盗罪。刑法235条)を適用しだしたら、トンデモないことになってしまいます。

 そこで、原則として、日本の「刑罰」は、日本国内でしか適用されないこととなっているわけです。

法律の適用範囲には例外もある

 もっとも、一部、政策的に、①海外での日本に対する犯罪行為、②海外での日本人の犯罪行為、③海外での日本人に対する犯罪行為、について例外的に処罰することが認められています。
 ①の例としては、「内乱罪」や「通貨偽造罪」、「公文書偽造罪」などです。要するに、日本の国益を守るためです。
 ②の例としては、「放火罪」や「強姦罪」、「殺人罪」、「傷害罪」、「窃盗罪」、「強盗罪」などなどです。結構いろんな犯罪について、日本人がたとえ海外で行った犯罪でも、日本でも処罰されるのです。
 ③の例としては、「強姦罪」や「殺人罪」、「傷害罪」、「強盗罪」などです。日本人を守るために、比較的重い犯罪について外国人が行った犯罪を、日本でも処罰します。

【結論】海外で大麻を所持したら大麻取締法が適用されます。

 では、「大麻所持罪」や「大麻譲受罪」などは、どうでしょうか。
 実は、大麻取締法は、「大麻所持罪や大麻譲受罪は、刑法第2条にしたがう(24条の8)」と規定しています。そして、刑法2条には「この法律は、日本国外において罪を犯したすべての者に適用する」とありますので、日本人が、外国で大麻を所持していても大麻取締法が適用されるわけです(上記の①にあてはまります)。

 これに対し、賭博については上記の①も②も③もあてはまりませんので、カジノが合法の国であれば、その国で日本人がプレイしても何のお咎めもありません。筆者も世界中のカジノで遊んでいます。
 なお、インターネットがあれば、海外のオンライン・カジノをプレイできますが、この場合、「行為地」、すなわちカジノをプレイした場所が日本である以上、賭博罪によって処罰されます。
 この話は、また別の機会にしましょう。