(画像はイメージです。)

 24日午後、東京都の教育委員会に、弁護士を名乗り「小学校に爆弾を仕掛けた」といったメールが届いていたといったニュースがありました。
 どうやら、実在する弁護士を名乗ったようですが、その弁護士本人が爆破予告を行ったというオチは極めて低いにしても、弁護士名が利用されたとあっては、弁護士の一人としてはおだやかではありません。

 ところで、「爆破予告」がどのような罪に該当するかですが、まず、「爆破予告」が具体的な「人」に向けられている場合、例えば、「A小学校を爆破してB校長を殺す」や「B校長を爆死させる」といったような場合は、「脅迫罪」が成立します。
 次に、具体的な「人」ではなく、建物や団体などに向けられている場合は、「脅迫罪」ではなく「(威力)業務妨害罪」が成立します。
 なぜなら、「脅迫罪」は、「生命」や「身体」、「名誉」や「財産」といった個人の利益を保護するための刑罰なので、「人」ではない建物や団体などには適用されないからです。

 これに対し、例えば、小学校は「児童に教育を行う」という「業務」を行っているところ、これらの「業務」を害するために「爆破予告」を行った場合には、このような「業務」を妨害したことに対する罪、すなわち「(威力)業務妨害罪」が成立することとなります。

 なお、今回、「弁護士」を名乗ったとのことですが、あまり知られていませんが、まず、弁護士法74条は「弁護士でない者は、弁護士を標示したり記載をしてはならない」旨、規定し、100万円以下の罰金を科していますので、弁護士法違反にもなりそうです。
 さらに、軽犯罪法も「法令により定められた職業(例:医師、公認会計士、建築士など。野菜ソムリエや離婚カウンセラーなどは法令上の職業ではないため除く)を詐称してはならない」と定め、これに違反した場合に、拘留(30日未満、拘置所に収容すること)や科料(1万円未満の罪)を科しています。

 したがって、今回の場合、犯人が見つかれば「(威力)業務妨害罪」で逮捕され、その後、刑事裁判になると思いますが、これらの「弁護士法違反」の点や、「軽犯罪法違反」についても追及されるかもしれません(もっとも、「(威力)業務妨害罪」という大きな罪で処罰される場合、他の2つは不問にふされることが多いようです」。